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ハイパーカミオカンデ(飛騨市)

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今回は飛騨市にある「ハイパーカミオカンデ」をピックアップ!


1895年の今日11月27日、スウェーデンの科学者ノーベルが自らの発明したダイナマイトで得た富を人類に貢献した人に与えたいという遺言を書きました。

ノーベルの死後、ノーベル財団が設立され、1901年にノーベル賞の第1回授賞式がおこなわれたことを記念して、毎年11月27日は「ノーベル賞制定記念日」です。

ということで次のノーベル賞に期待がかかる「ハイパーカミオカンデ」をご紹介します。


「ハイパーカミオカンデ」は、これまで2回のノーベル賞につながる成果を上げた「カミオカンデ」と「スーパーカミオカンデ」の後継となる大型の観測施設。

初代の施設「カミオカンデ」は、世界ではじめて「宇宙ニュートリノ」の観測に成功。

実験を主導した小柴昌俊さんは、2002年のノーベル物理学賞を受賞しました。

また2代目の「スーパーカミオカンデ」は、「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象をはじめて観測したことで、ニュートリノには質量があることを示し、2015年に梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞しています。


梶田さんも関係して計画が進んでいる3代目の「ハイパーカミオカンデ」でも、ノーベル賞級の発見ができる可能性が十分あるとしています。

「ハイパーカミオカンデ」は飛騨市の近650メートルに直径70メートルあまり、深さ60メートルの巨大な水槽を設置する計画。

「ニュートリノ」は物質を構成する最も基本的な粒子の1つで、直径が1ミリの1000兆分の1以下と極めて小さく、電気的にも中性なため、どんな物質でもすり抜けてしまう「おばけ粒子」などと呼ばれています。

「ハイパーカミオカンデ」は巨大な水槽の中に高感度の検出器を4万個設置し、「ニュートリノ」が極めてまれに水の原子と反応したときに発生するわずかな光を検出します。

「ハイパーカミオカンデ」は「スーパーカミオカンデ」より水槽の体積がおよそ8倍大きく、そのぶん多くのデータを観測できることが期待されています。


施設では「ニュートリノ」とともに、「ニュートリノ」の反対の性質を持つ「反ニュートリノ」を観測し、それらの性質のわずかな違いを見つけ出すことを目指します。

このわずかな違いは、物理学の用語で「ニュートリノのCP対称性の破れ」と呼ばれています。

これを解明できれば、私たちの世界がなぜ「物質」だけで構成され、「反物質」がどこにも見当たらないのかという宇宙の根本的な謎に迫れる可能性があるというのです。

さらにもう1つ期待されているのが、これまで誰も観測したことのない「陽子崩壊」と呼ばれる現象の観測です。

「陽子崩壊」は原子核を構成する陽子が壊れる現象で、素粒子の世界ではたらく「強い力」「弱い力」「電磁気力」の3つの力がもともとは同じだった場合に起きると予想されています。

「陽子崩壊」をはじめて捉えることができれば、現在の物理学の「標準理論」を超える理論とされる「大統一理論」が証明される可能性があるといいます。

3つの力がもともとは同じものであったことが分かれば、間違いなくノーベル賞級の成果になるんだそうです。


「ハイパーカミオカンデ」は今後日本を中心に世界十数か国が参加した国際協力プロジェクトとして建設が進められ、来年度から本格的な建設を始める予定で、2027年ごろの雲梯開始を目指すそうです。


次のノーベル賞に期待がかかる「ハイパーカミオカンデ」、要チェックですね!